(えっ……えぇ?)

ログの肩には、ティーナが寄りかかっていた。

「……ティーナ?」

一応声をかけてみたが、起きる気配は全くない。突然のことに行動と思考がリンクせず、なにをしていいかわからなかった。

(とりあえず、どかしたほうが……いや、でもこいつ、寝るの三日ぶりくらいだよな。起こしたら悪いし……)

どかす気も起きず、どうしようか悩んでいると、自分にも睡魔が襲ってきた。いきなり全身の力が抜けて、頭がかくん、と倒れそうになる。

あ、そうだ。俺も寝てなかったと、ログは今更気がつく。

そして、ログは気絶するように眠ってしまった。

「……あれ。寝ちゃってたかな」

先に目を覚ましたのはティーナだった。もう今が何時なのかもわからない。心ゆくまで寝たはずだが、体はまだ寝ていたいと自堕落なことを言っている。眠い目をこすり、立ち上がろうとした時、ふと体に違和感を感じた。誰かが寄りかかっているような感じがする。眠気が数秒で晴れて、自分がどういう状況に置かれているのか認識することができた。

自分はログの肩に寄りかかって、ログはティーナの頭に寄りかかっている。

「やあああっ!?」

変な声が出た。ログの体を思いっきり突き飛ばして、少し距離を置いた。ログの体は反対側へ思い切り打ち付けられ、本人からは「いっで!!」と声が聞こえた。

「はぁ、はぁ、はぁっ……」

心臓がドクドクと鳴っている。驚いたからなのか、それとも…… あれ? ていうかログ大丈夫かな?

びっくりして思わず突き飛ばしてしまったが、ログは頭を抱えてうずくまっている。ハッとして、ログの元へ駆け寄った。

「ごめん! 大丈夫!?」

「大丈夫じゃねえよ……なんでいきなり……」

本気でログは痛がっているようで、罪悪感が背中を這う。