【前回記事を読む】黒猫を全力で追いかけていると、明らかに人為的に作られた川や橋、そして巨大な建造物が出てきた。猫はそこで立ち止まり…
第二章 旅立ちと仲間
当たり前のこと
「おいティーナ!」
「ログ?」
すぐにログが駆け寄ってきて、心配そうな目でティーナを見た。しかし、ティーナの無事がわかると、呆れ顔になって、ため息をついた。
「なにやってんだよ」
「ごめん……」
子猫は自分を助けてくれた人の怪我すら気にせず、自分の親の元へ走っていった。
「にゃあ!」
「あはは……助かってよかったんだけどさ……」
「薄情すぎんだろ、ちび助二匹。それより、お前、怖いなら怖いって言えばよかったじゃねえか」
「ゔ」
「ばればれだぜ? 怖がってんの」
「うっ……」
「なのに無理して落っこちるとか、馬鹿だなあ」
「うるっさい!」
まじめに呆れられるより、からかってくれたほうがまだマシだった。いつのまにか、もう猫たちは去っていた。本当に薄情な猫だな。
「さてと、行くか」
「本当に怪我してねえよな?」
「大丈夫だよ」
本当は大丈夫じゃないけど、余計な心配をかけたくないし、猛烈に頭が痛いことは黙って進んだ。
「あれ? これ、もしかして銅像?」
帰ろうとした時、所々欠けている銅像を見つけた。その銅像は鎧を着た人が馬に乗っている。きっと、戦国武将かなにかだろう。
「じゃあここ、もしかしたら城跡かな?」
「城跡? なんだそれ」