【前回の記事を読む】「NG客にされて、LINEブロックされちゃった(T . T)」「オレでよければ話聞くよ」横浜のハイスぺが癒し相手に。

Chapter 2

横浜のセラピスト

さすが横浜店の人気No.2セラピストだけあってカオルの対応は素早かった。横浜駅周辺で待ち合わせが出来るので、湘南住まいの真由子には距離的にも横浜店所属のカオルの方が会いやすい。

横浜駅の新しいファッションビルの入り口の前で待ち合わせて、駅近の落ち着いた個室居酒屋に入り、カオルと真由子は向かいあって飲食を始めた。

カオルは目の前に来た焼き魚の白身をあっという間に食べやすいようにほぐしてくれる。おしぼりもサッと渡してくれ、前回会った時よりサービスの仕方もかなり手慣れた感じになったカオルに、真由子は心地良さを感じていた。カオルはとにかく優しく真由子の話を聞いて、細やかに気配りをしてくれた。

「カオルくんに会ったら何だか救われた気分よ」

「少しでも真由子さんの気がまぎれたら良かったです。オレでよければ、いつでも呼び出してください。真由子ちゃん大好きだから大歓迎だよ」

駅の改札前で別れる前に気持ちよく真由子はカオルに3時間の居酒屋デートのギャラをお支払いした。

改札を入り、真由子の姿が見えなくなるまで、カオルは、手を振ってにこやかに見送ってくれた。

(カオルくん、めっちゃ優しかったなぁ……性格は流星よりカオルくんの方がいいかもしれない。気配りを凄くしてくれるし、でも、私はやっぱり衝撃的な出会いから、ドラマチックに関係が進んだ流星くんがたまらなく好き……)

カオルの優しさにだいぶ気分が救われた真由子だったが、流星への想いまでは、揺らぐことはなかった。