凄くご機嫌が悪い。手を繋いでいるけど小走りしないと追いつかないぐらい歩くのが早い。タクシーに乗っても一言も話さない。
おかしいけど嫌な思いさせたかな。
マンションに着いた。手を離さない。痛い。
「一緒にお風呂に入る! 準備して!」
「分かった」
いつものように先に入って、化粧を落としシャンプーをして、体を洗っている時に入ってきた。
「早いわね」と、思っていたら、洗っているタオルを取って、私の体を洗い始めた。「へ、どうしたの?」
何も言わない。特に右手を強く、何回も洗っている。
「痛いよ!」と言っても、洗っている。さっき、尚樹さんに掴まれたところだ。本当に嫌だったんだ。
全身、隅々洗っている。シャワーを頭からかけている。
「もう、落ちているな」と独り言。今度は、激しく抱きしめて、キスをし愛撫している。
「涼真さん、どうしたの」
激しく、後ろから愛された。そしたら、
「乱暴に愛してごめんね」優しく抱きしめている。
「いいの。嬉しいわ。こんなに愛されているのね」
「ああ~、食べたいぐらい愛しているよ。僕の知らない美樹を知っているだけでも嫌なんだ。ましてや、元カレと知ったら、取られそうで怖かったんだ」
「もう、あなた以外は愛せないよ。分かるでしょう?」二人で、バスタブにゆっくり浸かった。
「でも、二度とあのレストランに美樹は連れて行かないよ」
「ええ、そうしましょうね」髪を乾かし、バスローブで、リビングに行くと、ワインを飲んでいる。珍しい。
「ワインを飲んでいるの。珍しいね」
次回更新は6月11日(水)、21時の予定です。
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