【前回の記事を読む】「ふ、腹筋をするんですか?」いつものイチャイチャマッサージタイムは、突然形を変え…

Chapter 2

崩壊の始まり

真由子はコロナ禍で入場制限がかかっていたテーマパークのチケット抽選に当たり、7月の最終日曜日に2名分の予約が取れた。

真由子は歓喜して、すぐさま流星にLINEで連絡して、来月末日曜日のロングデート9時間、10時から19時までをお願いした。

流星は、あまり乗り気な様子ではなかったが、

『予約は了解です』

と返信が来ていた。

真由子のテンションは上がった。この前のイケラブ掲示板書き込みをうっかり流星に伝えて、その後雰囲気が悪くなってしまったのも、テーマパークデートという一大イベントに一緒に行けたら、きっと挽回出来るはず! 

テーマパークデートが楽しみな真由子は、プリンセスを彷彿とさせるような可愛いフレアワンピースを、ネット通販で見つけて購入した。

髪の毛もオシャレにしたい。行きつけのお店の美容師さんと相談し、肩甲骨辺りまでの長さの下20センチを鮮やかなレッドにし、それ以外は頭頂部から筋感ハイライトでレッドを入れた。鏡を見て、大胆なヘアカラーの仕上がりに真由子は大満足した。

(流星くん、このヘアカラー見て何て言うかなぁ……インパクト大だからきっと気に入ってくれるはず……)

どこまでもノー天気な真由子である。

7月末真夏の暑い日曜日、テーマパークデートの日となった。真由子は朝早く電車に乗り込んで、東京駅で千葉方面へ行く電車に乗り換えた。ちょうど10時、駅改札口の外に流星はちゃんと来て待っていてくれた。

ワクワクする真由子、一方の流星は真由子を見つけると軽く微笑んで、

「髪の毛、けっこう赤くしたんだね、思ってたより派手髪だな」と笑って言った。

テーマパーク内は入場制限のせいで通常と比べて空いていた。