第1章 森の動物たち
雨の夜の森
小さい皆さん、こんにちは。
皆さんは雨の夜の森に行ったことはないでしょう。いえ、行ったことがないばかりか想像したこともないでしょう。皆さんが想像したこともない雨の夜の森。
でもそこにもこんな世界があるのですよ。
あまり大きくない木のほこらに山猫の親子がいます。五匹の子猫は外に出たいのに出られないので、上になったり下になったりして遊んでいます。
ときに雷鳴の轟く雨の夜の森の中で、子猫はいつまでも上になったり下になったりして遊んでいます。
こんな夜に誰も外に出ていないと思ったら、カエルさんが出ていました。森の広場を占領しています。真ん中の少し高い所に王様と偉いカエルがいます。
一段低い所にはオタマジャクシからカエルになったばかりの小さいカエルが一列に並んでいます。皆、敬愛と尊敬の眼差しで王様と偉いカエルを見上げています。やがて子ガエルは声を揃えて歌いだします。