それでも、少しずつ体調が良くなり、3年後にようやく主治医の先生から子どもを作ってもいいという許可をいただきました。

子どもを授かったときには、うれしくて涙がこぼれました。そして、妻の2回目の妊婦健診で、子どもが双子であることがわかりました。

まだ完全に体調が戻ったわけではない中、正直、双子を育てていく自信はありませんでした。とは言え、やっと授かった命ですので、育てていく以外の選択肢がないことはわかっていました。

まだまだ体調が万全でない中、会社の仕事がとても忙しく、すでに両親ともに亡くしていることもあり、今のまま働きながら双子の子育てができるか大きな不安がよぎりました。そして、双子が1歳のときに大学に転職する決断をしたのです。

もちろん、大学勤務が楽というわけではありませんが、好きな教育に携わることができ、時間をコントロールしやすい仕事を選んだわけです。

その頃、長女は6歳、これまでもできる範囲で子育てをしてきたつもりではいましたが、その時からがパパの子育ての本格稼働と言ってもいいのかもしれません。

子どもの性格は十人十色であり、親御さんの子育て方針もいろいろだと思います。本書の示す対応がすべてではなく、1つでも2つでも共感いただける部分があれば何よりです。

本書は、授業や学会などを通してすばらしいと感じたこと、学んだことに加え、私自身の成功例、失敗例を加味した中で、是非トライしてほしい内容をまとめています。

子育て本は多数出版されていますが、パパ目線で具体例を示した本は多くはありません。私の経験を少しでも皆さんの育児のお役に立てていただければ幸いです。

第1章 パパの育児参加の意義

イクメンは今や昔の言葉

今の時代、パパが子育てをするのは当たり前〝イクメン〟という言葉は、2007年頃から女性誌や育児雑誌などで取り上げられるようになりました。

2010年6月には、厚生労働省が男性の子育て参加や育児休業取得を目的とした「イクメンプロジェクト」を始動し、同年の流行語大賞に選ばれるなどブームになりました。

さらに最近はイクメンの派生語として、イケてる旦那を表す〝イケダン〟、孫育てをする〝イクジイ〟などの言葉も使われてきているようです。

 

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