第四章 運命の出会い
【美樹編】
涼真さんに会えなくなって、三か月がたったある日。毎日、毎日、彼の事を思う。会いたいけど怖い。身体が覚えている。
涼真君に抱かれたい。欲求不満のおばさんか! 嫌だ! 嫌だ! 一人で頑張れる。おばさんは強いんだ! 仕事に生きるぞう! ファイト!
ある日、新規のアポが入って大手の会社。部下を伴い、いざ、出陣。
「山下君、カタログ、提案書、見積もりは準備できているね。絶対、契約取るよ。いいね」
「はい、課長! 準備オーケーです。頑張りましょう」
凄いビル。凄い会社だとは聞いて知っている。我が社が入るのは初めてだ。腰が引けないように、営業魂が疼く。受付で、
「初めまして。ビ・リバー印刷の柳澤と申します。本日、二時に高山本部長とお約束しています。お取次ぎを」
厳しそうな会社だ。本部長って怖そう。
「かしこまりました。少々お待ちください」
「どうぞ、七階へ」
「ありがとうございます」
七階本部長室、ドキドキしているが、プライドで冷静さを保っている。
秘書、
「どうぞ、お入りください」
「失礼します」
「ああ、どうぞ」
聞き覚えのある声、見覚えのある姿。ん?