3.2 電気機関車・ディーゼル機関車特有の不具合
1)両軸・2台車駆動
昨今では“MPギヤ、ACEギヤ”という商品名で代表される、車軸に組み込まれたウオームギヤ駆動で、連動ギヤを用いないユニットをユニバーサルジョイントでモーター軸に接続して全輪駆動できる安定した製品があります。走行不具合、騒音は缶モーターの性能も伴ってかなり減ったと思います。
また、台車内に組み込まれた“トラクションモーター”や“パワートラック”など走行モジュールも改良されて製品化され、動力化しやすくなっています。
走行不具合の多くは、これら新製品が発売される前に長く愛用された駆動ユニットのウオームギヤ噛み合わせ不具合で生じることが多いです。
両台車駆動の電車・気動車、4軸動輪のDD、ED型、6軸動輪のDF、EF型では機関車の多くの場合運転席側の両端台車に組み込まれたインサイドギヤを介して13:1~20:1くらいのギヤ比を有するウオームギヤ・ウオームホイールによってモーターからの回転駆動を伝達しています。
ウオームギヤが取り付けられたモーターは、インサイドギヤに設けられたモーター取り付け台に2本のネジで取り付けるタイプが多く、ここでの車軸に取り付けられたウオームホイールに嚙合わせます。これがうまくできていないと音が大きかったり、空回りしたり、走りが重くなったりする走行不良となります。
また、片方の駆動台車が不具合でも機関車としてはこの台車を引きずる走行となり不具合となります。
それ以外にもギヤ周りにはオイルが付着しているので走行時に糸屑や埃を巻き込み、回転を重くすることもよく見られる症状です。こまめに取り除きましょう。