来ない! どうして来ないんだ! 仕事が忙しかったんだろうか。愛しているのに! 僕の事、愛していないのかな。でもどうして……僕は会えなくて辛いのに。

苦しい。翌週、月曜日から金曜日まで毎日待った。僕は何をしている? 美樹に振られたんだ。

金曜日、腹が立つ。諦めよう! カッシュの後ろのボックスシートの三十代らしき女性がこちらをちらちら見ている。

誘ってのポーズ。頭に来ているので、誰でもいいやと誘ってみたら、案の定すぐ付いてきた。近くのラブホへ。勢い任せに抱こうとしたが、気分が乗らないし、息子が起きない。

えっ! 何で! 

この女性に感じない。抱きたくない。自分に言い聞かせた!

『どうした! 涼真』

言い聞かせるが、勃起しない。

理由は分かっている。美樹だ。美樹の事を考えると起き上がりそう……でも、女性を見ると萎える。

『待て! わぁー、どうしよう!』と焦る。

美樹にしか反応しない。余計に腹が立つ。

あれから、二か月、毎日、毎日、美樹の事ばかり……僕は初めてだ。特定の女性にしか反応しないなんて。悔しい。