私達の祖先や始祖を神として祭ったのが神社であり、ブッダ、空海、イエス、関羽など、偉人や聖人を神として祭る様に、過去、実際に人として生きてきた八百万の始祖達を後世の人々が「神」として祭ったものが神社だ。
そして本来、亡くなった人は皆、生ある人の味方なのだ。
日本には八百万の部族がいて、それぞれ八百万の始祖を祭っていたので海の部族、稲作の部族、製鉄の部族など各部族の象徴が神格化して鎮座されている。
そして、人として生きた時代の人格や偉業によってもそれぞれの御神威や神格が備わっていて、その個性に応じて良縁の神、財運の神、国造りの神、旅の安全、安産祈願など御利益があると考えられている。
今の私達の日本人の血となり肉となり骨となり、この国を造りあげてきたご先祖様の世界を偲び繋がるのはとても素晴らしい体験になった。
全国を旅していたつもりでも、実は過去を旅してきた様だ。お参りは「お祖母ちゃんやお祖父ちゃんに会いにゆくつもりで」というが、子どもがやんちゃな参り方をしても、大人が礼儀正しくお参りしても、「よく来たね」と温かい。
そんな風に故郷と繋がる様な、ホッとした気分になったり、自分の原点に還り矜持を正す様な、凛とした感覚にもさせて貰える。