「インステップ」の効用


「インステップ」の効用は、ボールに角度がつくことです。バッターはバッターボックスに右バッターであれば左足を前に、右足を後ろに置き、「バットスイング」を行うので、そのスイングは基本的に右足と左足を結んだ体の線と垂直方向のスイングとなります。

剣道のように縦振りをすれば別ですが、そのようなバッターはいません。皆バットを横振りします。

そして、右バッターの場合、①の軌道のボールの方が、②の軌道のボールより打ちにくくなります。バットを横振りしますので、ボールの方向性がバットと垂直方向のボールの方が打ちやすくなります。③のボールの軌道がそれになります。

バッターの対応として、バットをボールの進む方向と垂直方向となるように角度を調整するというやり方は自然です。左図のようにバットの角度調整で大分打ちやすくなります。

但し、この角度調整を無限にできないところがバッターにとってつらいところです。①のような「クロスファイヤー」に対してバットの角度調整で、ボールの進む方向とバットを垂直方向にしようとすると、

「クロスファイヤー」の角度がついているだけに、バッターボックスから足をはみ出さないとバットによる調整が難しくなります。そのように右バッターが苦戦する「クロスファイヤー」を、東投手の場合、肩を開かずに投げることができます。

外角へも「クロスファイヤー」


東投手の「ピッチングフォーム」の構築で素晴らしいメリットがもう一つあります。それは右バッターの外角にも「クロスファイヤー」球質のボールを投げることができる点です。

もちろん「クロスファイヤー」は右バッターの内角へのボールですが、角度の視点から見ると同種のボールを外角にも投げることができます。

右足を地面に接地した時点で肩の開きがありませんので、肩を起点に右バッターの内角にも外角にも角度の面で同質の「クロスファイヤー」を投げることができます。ホームベースをかすめて投じられるボールの左右の幅広さは、バッターにとっては脅威となります。
 

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