【前回記事を読む】【阪神タイガース・村上頌樹投手】彼が活躍した理由は、高いリリースポイントから投げられる「浮くボール」…?

ピッチャー編

(5)村上頌樹投手……「高さ」を生み出して、錯覚を生み出す

池谷公二郎氏の「ピッチングフォーム」

このような「ピッチングフォーム」の構築をしていた名投手もいます。広島東洋カープで活躍した池谷公二郎氏です。

池谷氏は広島から1972年にドラフト1位指名を受け、日本楽器から入団しました。1975年シーズンには18勝を挙げ、広島の初優勝に貢献、翌1976年シーズンでは、今では希少となりましたが、20勝を挙げ、最多勝利投手と沢村賞を獲得した名投手です。

その池谷氏の投球フォームがまさに「シーソー投法」と呼ばれていました。池谷氏のピッチングフォームは凄いです。投球の早い段階から、左足を一直線にします。そして左手も前に、それも相当斜め上に突き出します。前に流れる力が大きいですので、逆に右手を背中まで回して、体の開きを抑える「ダイナミック」な「ピッチングフォーム」です。

その「ピッチングフォーム」は素晴らしい高さを生み出しています。ボールを「リリース」後に、右手は地面につくかつかないかくらいまで下ります。それほどまでに右腕の上から下への力強い振り下ろしが実現できています。

最後に2023年シーズンの村上投手の「ゾーン」別被打率を見てみます。

(拠出:データで楽しむプロ野球 https://baseballdata.jp/2023/playerP/2000055_course.html)

「ゾーン」はストライクにあたる「ゾーン」に絞って記載しています。

まず対右バッターです。

続いて対左バッターです。

対右バッター、対左バッターともに「ストライクゾーン」の低めの数字が圧巻です。

トータルの対右バッターの被打率は・122、対左バッターの被打率は・153です。バッターにとっては、ボール軌道が自分の思っているところと違う軌道で進んできて、最後に低めの「ゾーン」へ落ちる、曲がるという変化があれば、打つのは困難と言えます。