A:山のような膵臓からたった1本! そんなに希少だとインスリンを必要とするすべての人が治療を受けるのは難しそうです。生産コストもかなりかかりそうですが……。

M:現在発売されているインスリン製剤は、一部の例外を除けば1本あたり300単位のインスリンが入っているのですが、大正時代に発売されたインスリン300単位を現在の価値に換算すると約10万円に相当します。

A:10万円!! 私のような一般庶民には到底買えません……(涙)。

M:非常に高価だったインスリンですが、現在は製品の特性によって様々ではありますが、使い捨てペンタイプなら2000円程度、詰め替えタイプなら1000円程度とずいぶん安価になりました。健康保険を使えば自己負担は1~3割となりますから、現在は1本数百円程度でインスリンを手に入れることができます。

A:この100年間で1本10万円が数百円になったなんてすごい! 人類の進歩を感じますね。

M:企業努力の賜物で、本当にありがたいですよね。インスリンは注射薬なので何となくイメージが悪いのですが、経鼻投与や経皮投与など、注射以外の様々な投与法の研究が進んでいます。世界には頭脳明晰な人がたくさんいますから、将来的には「昔はインスリンを注射で投与していたんですよ」なんて説明する時代が来るのでしょうね。

 

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