評論 詩 生きる 死 2025.04.08 【詩六篇】「家が恋しくて 必死でリハビリに励んだ 今入院病棟の外で 汗をかきながら草刈りをする 遠く望郷の思い」 様々な人生 五月の日 鯉のぼり泳ぐ日 何を思う 日が過ぎて初老の頃 過ぎた時間は還らない 頑固になり 老醜の想い 過去を気にするのみ 未来を考える余裕はなし 青春は懐かしい 人生過ぎてみれば 良いことはなし 初老の坂を上り下り 様々な人生
エッセイ 『遠い夢の向こうのママ[人気連載ピックアップ]』 【最終回】 かおる 身体中、痣だらけのまま着たウエディングドレス。DV夫が腕につけた痕は、結婚式の写真にもはっきり写っていた。 【前回の記事を読む】DV被害に衝動ODで入院。脳細胞の一部が死滅したらしく、言い返す気力も、考える力も、言い訳する思考力も、どこにもなかった。翌日はとても綺麗な教会で結婚式だったが、私の全身は手のひらサイズの痣だらけだった。ドレスから出ていた腕の痣だけ、結婚式の写真にも写っていた。結婚式自体はスムーズに進み、無事に終わり、その後の旅行は特にひどい喧嘩はせず満喫できた。後から聞くと、新婚旅行直前に…
小説 『寂しがり屋の森』 【最終回】 村松 凪 川の水位に異変…遊んでいる子供に川岸に上がるよう呼びかけた瞬間、足を滑らせ、あっという間に深い方へ流され… 【前回の記事を読む】河童の罠を買いに行った帰り、自転車がパンク。雨にも降られ、疲れ果てた俺を助けてくれたのは――?それから二週間が経った。マジメ考案の罠は、新しい網でより立派なものになった。俺は、相変わらず毎日かかさずに川へ通った。何度も川で顔を合わせるうち、マジメと釣りをしているおっさんだけではなく、子供とも顔なじみになった。おっさんとは、まだ一度も話をしたことはないが、気持ちの上では親友だ。…