営業時間の短縮で済んだ所もある。政府はそれぞれに対して、損失利益に対する補助金を支出した。しかし、これだけ長く続いたので、政府の財政に少なからぬ影響を与えた。

1918年から世界中で大流行したスペイン風邪は罹患者が多く、多数の死者が出た。今回の新型コロナの感染は、よくスペイン風邪と比較されている。スペイン風邪は1918年から1921年にかけて、世界中の人口の4分の1が罹患した。死者数は4千万人にも達した。日本でも2千3百万人が感染して、33万人が死亡した。原因はウィルスである。

スペイン風邪の時の経験は当然役立つが、医学の進歩で、今回は原因ウィルスの遺伝子分析や検査ができる時代であり、より正確な情報が共有できるようになった。スペイン風邪時代よりも世界人口は増加しているので、スペイン風邪は2年ほどで、新型コロナは数ヶ月でパンデミックとなった。世界人口の増加、各国間の交流が容易となり、都市部への人口密集などで、パンデミックが短期間に起こったのである。

新型コロナは一般的には飛沫感染、接触感染による流行であり、中でも飛沫感染の頻度が高い。これは、患者の咳、くしゃみなどを介して他人の呼吸器系に入るからで、入り口は鼻孔である。それらの対策として、密閉、密集、密接の、いわゆる3密を避けることが、最も大切な予防法として指導された。その方法に加えて、手洗い、うがい、マスクの着用も定着した。

ある人は「顔面蒼白」をもじって「顔面総白」と言っていた。新型コロナに罹患すれば、他人への感染はすぐ起こるし、高熱や肺炎で亡くなる人が多く報告された。多くの患者が入院して隔離され、重症化すると人工呼吸器も必要になった。

病院の緊急病棟は、コロナ患者の閉鎖病棟になり、他の緊急患者が収容できないことが問題になった。症状がまだ出ていないコロナ患者も他人との接触で感染させるので、問題は複雑になった。後遺症も問題である。幸い回復しても、胸部レントゲン検査で所見が残り、疲労感、倦怠感、味覚・嗅覚障害が報告された。

国の指針で、感染者の増加に伴って、休業や営業時間短縮が要請され、多くの集会なども自粛され、学校では休校が続いた。商店などの利益が得られない状況には政府がそれを負担した。現在は第8波が収束に向かっているものの、まだ少数の罹患者がおり、国民は3密回避などを続けている。今後、再びの再燃を危惧される人も多い。  

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