良が乗ったエレベーターは直ぐロビーフロアへ着き、ドアが開くとドア脇に立っているボーイが、

「秋山様、此方へどうぞ!」

と言ってフロントへ案内した。

「秋山様、遅くによくお見えくださいました、有難うございます」

と言って、宿泊カードを出し、

「お名前とご住所、ご連絡先をご記入ください」

と言った。

そして、

「ご宿泊は一日か二日と伺いましたがそれでよろしいですか?」

と尋ねた。良は宿泊カードを記入しながら、

「それでお願いします」と答えた。

フロントマンはボーイにカードキーを渡し、

「四十七階の4718号室です、それとルームサービスは今の時間お受け出来ません。 ご不便をお掛けして申し訳ありません。」

と言った。

良が頷くとボーイが、

「どうぞ!」

と言って先に歩いて宿泊エレベーターの方へ行き、ボタンを押してドアを開け、カードキーを翳して四十七階を押した。

四十七階へ着いて4718号室のドアを開けて、手短に室内の必要なスイッチ類を伝え、「ごゆっくりお過ごしください。お休みなさい!」

と言って出て行った。

良は椅子に座ってスマホを取り出し、スターファイブCoのアプリをアップさせ、丸田のブレスレットの電波と同期させた。

そのまま部屋を出てエレベーターを呼び、無人のエレベーターに乗り込み、カードキーを翳し、ロビーフロアのボタンを押して下へ降りて行く間じっとスマホの画面を見ていた。

すると四十三階の表示が出た時にスマホの同期表示が最大を示した。

良は直ぐ四十三階のフロアに丸田のブレスレットが有ると確信した。

良はロビーフロアへ降りて、フロントへ行き、

「何処かこの辺りで二十四時間のコンビニは有りませんか?」

と尋ねた、フロントマンが、

「車寄せから神田方面へ歩いて行くと三~四分で二十四時間開いているコンビニが有ります」と答えた。

「有難う!」

と言って、車寄せへ行くエレベーターに乗り一階へ降りた。

先程のボーイが軽く会釈をするのを見て、

「神田方面へ行きたいのだが……」と伝えた。

ボーイが直ぐ手で方向を示し、

「ホテル入り口を出てそのまま真っ直ぐ行き、大きい通りの信号を渡ると神田の駅が見えます!」

と教えてくれた。

頷いて、

「有難う!」

と言って車寄せから神田方面へ歩いた。

直ぐコンビニが見つかり、温かい中華まんにサンドイッチ、ホットコーヒーを買ってホテルへ戻った。

部屋に入って、豪華な椅子に座り、さて此れからどうするか……を考えながら、テーブルの温かい中華まんとサンドイッチを頬張った。ホットコーヒーをゆっくりと飲んでいる間に考えがまとまり、先ず風呂に入って一眠りして動こう!と自分に言い聞かせ、バスタブに身を沈め、身体を思い切り伸ばし、少し疲れを感じながら目を瞑った。

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