第二章   国民を(あざむ)く違法ないじめ対策
―学校いじめ防止基本方針の欺瞞(ぎまん)

学校の実情を踏まえたいじめ方針の作成

いじめ対策の基本的な方針となる「学校いじめ防止基本方針」は、法律により作成が義務づけられています。

令和3年度の文科省発表によると、日本の中学校は、日本最北端の北海道稚内市立宗谷中学校から、日本最南端の沖縄県竹富町立波照間小中学校まで、国立68校、公立9,230校、私立778校、合計10,076校あります。ですから、全国には1万余の学校いじめ防止基本方針が存在することになります。小学校や高校、特別支援学校を加えるとさらに何倍もの数になります。

内容は一般に、「いじめの定義」から「学校としての心構え」「いじめの早期発見・早期対応について」「いじめ対策委員会の設置」「いじめ発生時の具体的な対応手順」などです。それらは、当然に学習指導要領の趣旨を踏まえたものでなければなりません。

学校いじめ防止基本方針の歴史は浅く、わずか10年ほどです。

2011年、滋賀県大津市で中学校2年生の男子生徒(当時13歳)が、同級生のいじめを苦に自殺しました。生徒は同級生からプロレスごっこと称して倒され、手足を縛られ、口を粘着テープでふさがれる、体育祭でハチの死骸を食べさせられるなど、日常的に暴力行為を受けていました。 

しかし、学校はいじめではなくケンカと発言、自殺の原因も家庭環境が問題と説明しました。そうした学校の姿勢が社会から問題視され、第三者調査委員会が立ち上げられ、調査の結果、「いじめ」と認定されました。この大津市の中学生いじめ自殺事件が誘因となり、2013年の「いじめ防止対策推進法」の施行に繋がりました。

同法は文部科学大臣が「いじめ防止基本方針」を策定、地方公共団体は「地方いじめ防止基本方針」を策定、そして第13条は「いじめ防止基本方針又は地方いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるもの」と定めました。これが、「学校いじめ防止基本方針」です。

 

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