2018年9月27日木曜日

朝一で面会に来てくれたオカンが、待合室に戻ると、マクドナル神父と、付き添いの水口さんが座っている様子を目にしたそうだ。うちの両親は、2010年に、マクドナル神父から、カトリックの洗礼を受けている。

そのため、僕の件も、この前の週末に、打ち明けたのだそうだ。足が悪い神父は、常に杖と付き添いが必要だが、その体を押して、京都から、この不便な都島の拘置所まで来てくださったのだった。

しかし、オカンもその時に初めて知ったそうだが、面会は、1日1組しか受け付けされない。

やむなく、神父は、僕に差し入れだけしてくださって、オカンと一緒に京都へ帰ることとなり、オカンも一緒の電車に乗ったそうだ。

しばらくすると、神父が、「Oh!この電車は反対方向です! 太陽が南にあります!」と言われ、一同、慌てて次の停車駅である尼崎降りて、乗り換えたそうだ。

翌日、面会に来てくれたオカンから、その話を聞いて感動した。

いや、わざわざ会いに来てくださったこともそうだが、何より、92歳の神父が、太陽の位置で瞬時に方向を判断する能力、その知恵の素晴らしさ!

この頃、ずっと鬱症状が悪化していた僕にとっては、一瞬の気付け薬のように効き、久々に、オカンと笑顔で会話ができた。

その時に、神父から差し入れられた『天使の文化図鑑』は、美しい色刷りで、様々な絵画に描かれている天使が収録されており、眺めるだけで心が和み、救いとなった。