第一章 あなたの知らないマンションの世界

マンション特有のオキテ

オキテ3  1階に住んでいてもエレベーターの点検費用を払う

「エレベーターのときと言っていることが違う。機械式駐車場もマンションの設備なのだから、全員で負担するべきなのではないか」と思う人もいるだろう。

機械式駐車場は、その点検費用や修繕費用が莫大な金額になることから、不公平感が他の共用部分より大きい。所有者は平等に管理費や積立金を払うことが原則だが、機械式駐車場は例外、と思っておこう。

オキテ4  今まで払った積立金はマンションを売っても戻ってこない

将来、マンションを修繕するために所有者は積立金を払う。自分が所有している間に修繕工事が実施されれば、自分が払った積立金が使われてマンションがきれいになるのだから、納得がいく。しかし、自分が所有している間に修繕工事がされなくても、マンションを売って出ていくときに積立金は返金されない。

積立金という言葉の響きから、銀行の積立定期預金のようなイメージを持ち、マンションを売却するときに返金されると思っている人もいるが、そうではない。

マンションは毎日劣化している。たまたま、何年かに一度、まとめて修繕工事をしているだけで本来は毎日の劣化分の費用がかかっているはずだ。そうした毎日の劣化分に対する費用を支払う、共用部分の使用料のようなものだと考えてほしい。

なんだか損をしたような気持ちになる人もいるかもしれないが、一度、マンションに払った積立金は、自分のものではなく、マンションの財産となる。「返せ」と言っても戻ってこない。そういうオキテになっている。