② 発声
発声言語
5億年前に、眼は脳の一部として発生した。手は、320万年前頃にルーシーたちが直立二足歩行したことで、第2の脳ともいわれる役割を果たした。類人猿は、社会的関係を豊かにした。そして、20 ~ 30万年前に言語を生み出した。発声器官は、言語を生み出した点で、ヒトの発生の条件といえる。
コンピュータは、最近までほかの道具と同じように、手と眼とで操作された。音声は、インターフェイスとして利用され始めたばかりである。しかし、ヒトの歴史から見ると、ヒトと道具の間の存在としてもっと大きな役割にふさわしい。
発声器官の進化
ヒトの音声産出は、以下の3つの過程からなる[香田啓貴. (2015). 霊長類の音声の運動基盤及び多様性とその進化的な背景. 日本音響学会誌71巻7号.]。
1.横隔膜・肺という呼吸器官から空気を吐き出す
2.咽頭・声帯で音源を作る
3.舌・咽頭・口唇で音に変化を与える