三 〝異次元〞 と〝いい加減〞対策のバトル
つまりだね、子どもが成人になる十八歳を基準として、一人目の子どもは六年間、二人目が九年間とし、同時に一人目の子どもに対してさらに三年間延長することによってともに九年間になるわけね。
このように一人増えることで三年間延長とすれば、五人の子どもを授かった家庭は、五人の子ども全員が成人になるまで親の負担は一切なしで、全て国からの支援とする方法ですよ。どうです!! 正に異次元でしょうね。
M ということは、念のため聞くんだけどね、子ども三人の場合で十二年間、四人だと十五年間であって、四人ともにこの期間にわたり国からの支援が受けられるということだね。なるほど!! じゃ、もしも十人産んだら全ての子どもに対して、何年間の支援が保証されることになるんだい。
W (指を折り曲げ数えながら)ええ!! 全くわかりませんですね。
M そうだろう。異次元どころか、それをいい加減って言うんだよ。考えてみなー、それじゃ国のお偉いさんたちが言っているよりも、はるかにお金がかかるし、実現性は全くないなー。それこそ、そんなお金が国のどこにあるというのか、言ってみな。
W それもそうでした。やっぱりダメだわ。ダメだよね……。
M そもそもだ、あんたのその考えは最終的に国民の大きな負担になるんだよ。そんなもの国民の誰一人として喜ばないし、嬉しいことでも何でもない、と思うよ。
四、子育て支援より、まずは結婚
W 確かにそうだわ。それじゃしょうがないもんね。他に、何かいい方法はないもんだろうか。どうでしょうねー。
M 確かに難しい問題だと思うよ。ただ、おいらにはそれなりの思いはあるけどね。
W えー!! 何よ、その思いとは。それ言ってみてよ。ねー早く。
M じゃ言おう。今どき世間の誰しもが、子どもを産むことの方より、育てることについて重要視しているように思えるんだよね。実際に、国のお偉いさんたちを含め、マスコミや学者の先生方の間でも、こぞって育てることに対してだけの良い方法に固執しているようにしか思えんのだよ。