「アオダイショウはウロコに特殊(とくしゅ)な機能(きのう)があって、木でも壁(かべ)でも垂直に上ることができるのだよ。

だからドアノブまでよじ登っていたのだ。他のヘビにはできないらしいよ」と続けて言いました。

夜中にバターンと何かが落ちる音がすることが、時々ありました。布団(ふとん)に入って寝(ね)る前に電灯を消してからでした。純二は驚(おどろ)いて、

「何、あの音は?」と聞きました。

「あれはね、アオダイショウはニワトリの卵(たまご)を丸のみにして食べるので、お腹(なか)の中の卵(たまご)を割(わ)るために高いところから落ちるのだそうだよ。見たことがないがね」とおじいさんが教えてくれました。

「あんな大きな音がするなら、ヘビは痛(いた)いよね」

と純二は言いました。おじいさんは、

「ヘビは動物を絞(し)め殺(ころ)してから丸のみにするのだよ。丸のみにした動物を砕(くだ)いて消化しているのかもしれないね」

と言いました。そんな話を聞きながら純二は眠(ねむ)ってしまいました。

  

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