こころは誰のもの

今回は、”こころは誰のもの?”というテーマで考えてみたいと思います。みなさんは、こころは誰のものだと思いますか? おそらく「私のもの」だと答える人が大半だと思います。でも、本当にそのような生き方ができている人は多くないのかもしれないなあと思っています。

性暴力被害を受けた女性が書いた、あなたは悪くない、こころはあなたのものだから、自分を責めないでありのままに生きていこうというメッセージを込めた歌があります。

被害を受けたかもしれないけれど、こころまでは奪われたわけではない。こころは誰にも支配されるものではない。こころもからだもあなたのものだから、自分を信じてありのままに生きていこうという魂からの叫びのようなメッセージです。

仏教には、命の私物化を戒める教えがあります。誰かの命を独占したり、支配したりすることはできないという意味です。

例えば親はわが子を自分のもののように扱うことがあります。よそ様の子どもにはしないようなことを、自分の子どもにはしてしまうことがありますね。それは親の権利を濫用しているという意味で、虐待(abuse)に当たると言われています。

子どもは親の私物ではありません。だから親はわが子を私物化していないか、家族同士で支配し合ったりしていないか常に省みる必要があるのではないかと思っています。子どもは親の言うことを聞くものだとか、家族なのだからこうするのが当たり前だとか……。