あたしとカナ パパ、ママ二人ずつ
「いつも、あやちゃんには久松でお世話してもらっています。カナちゃんも一緒か」
「実はあたしたち従姉妹なんです」と言ったら、「なんだ、そうだったのか」って。
「うちの犬がお世話になりました。この度は弟の家の猫がお世話になります。両家からです」ってカナママが丁寧に菓子折りを渡す。
メグ先生、素直に受け取って、
「これはありがとうございます。みんな喜びます。彩、朱美に言って、みんなに配ってもらって。朱美は?」
「シェルターに行ってる」
「そうか、じぁあ後で渡しておいて」
「あやがいつもバイト先でお世話になってます」ってパパ頭を下げる。カナパパなんて、
「うちのハルを綺麗にして頂いて」って、両手でメグ先生の手を包んで、顔をまじまじと見つめてる。
「ワンちゃんも猫ちゃんもハルって言うんですね。面白いな。ワンちゃんは今日はお留守番? 一緒に連れてくればよかったのに」ってメグ先生言ったら、うちのママが、
「私もハルカって言うんです」。
メグ先生、「お母さん、みんなに愛されてるんですね」って笑った。
後でうちのパパがカナママに、
「お菓子、人数分、ぜんぜん足りねーじゃないか」って文句言ったら、
「でも素直に喜んで受け取ってくれるなんて、いいじゃない。半分こにすれば、数は増えるでしょ」
「でも、みなさんに配るとなったら……」「やっぱり、うちの亭主と一緒。いつもボケッとしてるくせに変なところで細かい!」って言われた。うちのママ、弁護するわけでもなく、「その辺にしといてやってよ」だって。