変革

住む場所は会社が浦添営業所近くのアパートを用意してくれた。1LDKだが天井が高く結構広い。部屋は3階にあり、リビングの窓からの景色は一面が海だ。窓から隣の建物の壁しか見えなかった大阪のマンションの狭い一室に比べれば格段にいい。これなら塞ぎ込むことはなさそうだ。

階段で1階まで下りて外に出ると夏の日差しが強い。海から渡ってくる風は爽やかで、暑さも含めて心地よい。営業所までは歩いて10分。海沿いにあるパルコシティというショッピングセンターも歩いて10分くらいの便利さだ。

翌朝は早く目が覚めた。青い海の向こうに、部屋と同じくらいの高さまで太陽が昇っていた。そこから届く光の束がリビングを貫いて奥の壁に届いている。海を見ながらゆっくりとコーヒーを飲み、昨夜コンビニで買っておいたサンドイッチを食べた。

外に出ると、太陽の光と開放感で身体に熱を感じた。営業所に着くと山田さんと平良君は既に出社して、簡単な掃除をしていた。9時10分前、いい傾向だ。

「おはよう。ご苦労さま。城間さんはまだかな、平良君」

「城間主任は大体9時半頃です。朝はあまり得意ではないみたいですが、営業開始の10 時までには必ず来られます」

「よし、掃除が終わって城間さんが来たら会議をしよう」

【前回の記事を読む】「沖縄に来て一緒に仕事しないか?」中古車屋で出会った若手社員をヘッドハンティング

次回更新は12月25日(水)、8時の予定です。

 

【イチオシ記事】遂に夫の浮気相手から返答が… 悪いのは夫、その思いが確信へ変わる

【注目記事】静岡県一家三人殺害事件発生。その家はまるで息をするかのように、いや怒っているかのように、大きく立ちはだかり悠然としていた