俳句・短歌 短歌 自由律 2020.08.15 句集「曼珠沙華」より三句 句集 曼珠沙華 【第3回】 中津 篤明 「冬花火 亡び 行くもの 美しく」 儚く妖しくきらめく生と死、その刹那を自由律で詠う。 みずみずしさと退廃をあわせ持つ、自由律で生み出される188句。 86歳の著者が人生の集大成として編んだ渾身の俳句集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 稲妻を 受胎し みせる 秘儀のあり 感情の 裏側 見せて 蛇泳ぐ 花水木 いま 剝製となる 眞昼なか
小説 『魂業石』 【新連載】 内海 七綺 沼のような目でこちらを覗くおじさん…通り過ぎようとしたら、ランドセルにかけた給食袋を引っ張られ、後ろから口を塞がれた。 茜色の気配が透明な青を少しずつ蝕む帰り道だった。背の高いブロック塀に囲まれた脇道の暗く湿った闇から、男がじっとこちらを覗いている。瞬き一つしない、暗い沼のような目。変なおじさんだ、と雪子は思った。姦(かしま)しく笑っている亜弓(あゆみ)たちは男にまったく気づいていない。そのまま一緒に通り過ぎようとしたら、ランドセルにかけた給食袋をつかんで引っ張られ、後ろから口を塞がれた。叫ぶ暇もなかった。亜弓た…
小説 『迷いながら揺れ動く女のこころ[人気連載ピックアップ]』 【第12回】 松村 勝正 明日から始まるフィットネス通い…この季節なら長袖か、いや室内で運動するから半袖? 遠足に行くみたいにそわそわしながら… 【前回の記事を読む】身体障害者の方と結婚するとはどういうことか、深く考えていなかった。戦国時代で例えると、本妻と側室が一つ屋根の下…「会社の経営にも戦国時代の武将の生き方や判断が参考になると、好んで歴史書を読む経営者が多いと聞くよ。先を見る目や今決断する時に、生きるか死ぬかの間に身を置いていた武将たちの判断力が役に立つと言われているし、家庭内でも大げさかもしれないけど妻の立場で決断する時に参考に…