俳句・短歌 短歌 自由律 2020.08.08 句集「曼珠沙華」より三句 句集 曼珠沙華 【第2回】 中津 篤明 「冬花火 亡び 行くもの 美しく」 儚く妖しくきらめく生と死、その刹那を自由律で詠う。 みずみずしさと退廃をあわせ持つ、自由律で生み出される188句。 86歳の著者が人生の集大成として編んだ渾身の俳句集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 痴痴痴ッ痴 おとなの 時間 蜂一匹 爛々と 蠶の ごとき 開脚よ 鏡の中を 蛇 美しく 泳ぐかな
エッセイ 『ALSなんか怖くない』 【第31回】 堀内 昌子 筋力が加速的に降下するALS。「今さらリハビリなんて」と思われるかも…それでも、一日に半歩でも筋力退化を遅らせようと必死で… 在宅でのリハビリの先生方も、筋力低下の食い止め、尖足(足の関節が、つま先が伸びた状態で固まり、立ち上がったり歩いたりする際に、踵がつかない)防止の筋力維持その他呼吸器装着のALS患者に対してのリハビリをそれぞれ計画を立て、長いスパンで治療を考えておられましたので、それが継続されることに安心をいたしました。筋力は、加速的に降下の一途を辿るALS患者にとって「今さらリハビリなんて」と思われる方もおら…
小説 『紅の記憶 武烈と呼ばれた天皇』 【第3回】 青葉 こと 女性を巡って臣下と争った武烈天皇……問題となるのは史実と大きく異なる“年齢”だ 【前回の記事を読む】「この話は本当に史実か?」短命に終わったある天皇をめぐる記述に不比等が疑念を抱く。その天皇の名は――不比等はその場を離れるふりをして、廊下で聞き耳を立てていたのだ。哀れな男たちは腰の力が抜け、尻餅をついた。不比等はスーッと部屋に入ってきた。ピシャリと戸を閉める音が響いた。男たちは一斉に頭を下げた。狼に睨まれた小動物のようだった。震えながら相手の出方を待った。「何を書き加えたの…