第二章 調査1、調査2、お手本は自衛隊
「児童・母子福祉警察って、子どもの虐待やDVに特化して対処する警察の事ですよね」と質され
「そう、一時マスコミを騒がせた行政の対応が遅すぎると批判された事を受けて、それまで福祉分野として行政が取り組んでいたネグレクトやDVによる家庭内暴行傷害事件に専任の女性警察組織を立ち上げて対処する事になってできた組織。その為、所管が内閣府で所管大臣は官房長官なの」と桜田が児童・母子福祉警察について説明した。
「お子さんは何歳なんですか?」と問われ
「中二の女の子。普段は横浜の私の実家で祖父母と三人で暮らしてもらって、私は我がまま言って単身寮で暮らして、週末は実家で娘と過ごす、という気ままな生活してるの」と自身を我がままと自虐的に言った。
「それだけお仕事がハードだって事でしょう。大変なお仕事だと思います」と百合子が桜田の仕事に理解を示した。すると
「でもね、娘にはよく『何だか私もママにネグレクトされている様な気がする……』と嫌味を言われて、そのたんびに『そんなら新しいパパ、作ってあげようか?』というと『要らない!』って一言のもとに返すわ。そんな親子」と微妙な親子関係まで明かした。すると大人しそうで優等生タイプの百合子が
「再婚する事は考えなかったのですか?」と予想を裏切る突っ込みをしてきて
「……考えなかった訳じゃないけど、結婚して三年で娘も生まれて幸せの絶頂にいた気分だったので、主人以上の人とは巡り会わないだろうなという思いが強くて。