まえがき

人類にとって、計り知れないほど謎多き宇宙は、「物質」と「無の空間」を区別しないと多種多様な疑問が生じる事に気付きました。

1964年夏、東京オリンピックが開催されたこの年、大学4年生だった私は、尊敬する恩師・弓削(ゆげ)政隆(まさたか)教授と新幹線高速走行車両構造に関する卒業研究のかたわら、議論していました。

「あるものを真剣に真半分に割り続けたら、どうなる?」「限りなく割り続けても必ず何かは残るはずです。人の心のように……」。すると弓削教授から「人生に大きな課題ができたね!」と言われたのです。この言葉が、無限大の宇宙の成り立ちに魅せられる、私の出発点になりました。

宇宙の奇蹟太陽の一惑星地球、生命体の存在も奇蹟、万物、周って、周回、循環してそれぞれが存在を維持できている。近宇宙では月も地球も惑星全て太陽に連れられて周回、天の川銀河も中心に連れられて同様に他のより大きな銀河を周回公転しているのでは ─。

「人間一人の生命」も、宇宙始まって以来延々と繋がってきた1本の永い糸の先端であり、貴重な生命体である生物を「頂いて生きている」事を大切に、宇宙の最優等生「人類・人間」として、宇宙に習って大きな円を描いて、住処(すみか)地球を守り、平和で幸福・円満な人間社会の構築が実現できる事を願って、この「試論」をお届け申し上げます。

著者 手島 浩光