【管理規約、使用細則】
管理組合のルールを決めたものが管理規約だ。マンションに関わる法律の範囲内であれば、管理組合で自由に決めていい。しかし、管理規約は、国から「ひな型」が提示されている。ほとんどのマンションは新築マンションのときに、このひな型の通りの管理規約を作成する。まだ、マンションとしての個性がないのだから仕方がない。
しかし、新築と言われる時期を過ぎて、年数が経過し、マンションの個性が出てきたとしても、ひな型から大きく変更することはあまりない。日本人は周囲から逸脱するのを好まないという国民性があるからなのかもしれない。
さらに、一定の管理の質を維持できている管理組合に行政が認定をする制度がある。いわゆる「お墨付き」だ。この認定をもらうには「国のひな型に準拠した管理規約であること」という基準をクリアしなければならない。そうなると、国のひな型通りの管理規約にしておこうという心理が働く。こうした事情からほとんどのマンションの管理規約は似たりよったりである。
一方、個性豊かなのが使用細則だ。使用細則は管理規約の範囲内であれば、自由に決めてよい。国のひな型はない。「ふわっとした」ものから、ひと昔前の中学校の校則以上の厳しい規定が置かれているものまでさまざまだ。「何もそこまで決めなくても」と思うような規定を見かけることもある。
管理規約が日本中でほぼ同じということは、どこに住んでも大枠のルールは同じということになる。気を付けなければならないのは、使用細則に決められた細かいルールなのである。
【前回記事を読む】マンション「管理」という言葉に違和感を覚える。誰かが上位にいるような響きがあるからだ。