「相手から返事が来なくて焦っているところを襲われたか?」

「となると、犯人は明るくなるまでこの家にいたってことですか。目撃情報が取りやすいかもですね」

「チャットの会話相手は?」

「待ってください。確認します」

笹井が画面をスクロールし、会話を遡る。随分長く動かしたのに、そこには秋吉春樹と思われるプレイヤーの言葉ばかりが続いていた。日付が変わる前、十月九日まで遡って、やっと相手側の書き込みが見つかった。

「昨日の午後三時が最後ですね。夜になったら連絡すると書いてあります。日本語ですから、相手は日本人のようですね。ユーザー名はhouse」

「ハウス……。家、か」

深瀬は呟き、一度部屋を見回した。

「単なる会話相手かもしれないが、一応誰か調べておけ。これ以外にも、秋吉春樹とネット上で付き合いがあった相手の特定と、会話内容の書き出しを急げ」

「はい。この解析は専門チームに任せますね。その方が早いので」

「秋吉春樹と秋吉冬加に補導などの記録は存在しないか」

「あーそれですか。データベースでも照合しましたが、子ども達に逮捕歴や補導歴などは一切ありませんでした。大人についても同様です」

その答えを聞いて、深瀬は部屋をぐるりと見回す。