さらに、私は企業の海外進出については、日本の発展という視点で見た場合にマイナスであると考えている。まず先にも述べたが、国民全体の雇用を減少させる。さらに海外に技術のノウハウや経営のノウハウを流出させる。
企業的に考えれば、人件費の安い国に工場を操業させると、短期的には利益が増加し業績が上がるのであろうが、長期的に見れば国力が低下、景気も低迷し結局は日本の企業の地盤沈下を招いていく。自分の会社の利益だけを考えて経営を行っては駄目なのだ。日本の国全体のことを考えながら会社の経営を行ってほしいのである。経済は短期的なものと長期的なものの双方を見ながら運営を図っていくべきなのだ。
さらに、海外に生産拠点を求めるのではなく、日本の地方には優良な企業が沢山あるので、それらの企業と連携して生産を行っていくべきだと考える。技術的に地方の企業が遅れている場合には技術を磨く研修を行う機会を作る。それに対して、国や地方の行政は補助を行う。
海外と比べると人件費が高いといわれるだろうが、中央よりは地方の賃金は低い。自社で生産工場などの建設を行ってもいいだろうが、設備投資が巨額になるだろう。それよりは地方の優良企業と共に事業の展開を図ったほうが投資額は極めて少なくてすむ。トータルで考えてほしいのである。
このように、中央の企業と地方の企業の連携についての利点は、まず投資額が少額で済むこと、そして疲弊する地方に優良な環境で多くの雇用を提供できること、日本全体の経済の足腰を強くすること、などが挙げられる。
そしてさらに、国はこのような地方の企業と連携する中央の企業に対して法人税の減税を行い、多くの連携を生み出す政策を実施する。さらに、国や地方の行政は連携する両方の企業に対して、新たな投資に補助を行うこと、などを断行するべきだ。このようなことを実施することで、日本の景気を全国的に上昇させて都市と地方を守っていく。
日本の企業は、一般的に日本という国が強くなっていかないと結局は経営も上向いていかない。自社の利益と日本国の利益、双方を考えに入れて会社の経営にあたってほしいのである。
なにもわざわざ、多額の設備投資をしながら海外に進出していくことなどないのだ。
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次回更新は9月21日(土)、22時の予定です。