いろんな後悔が、後から後から押し寄せてくる。
どんなに思ったって、どんなに考えたって、もうあなたはいないのにね。
残された者は、残りの人生をどう生き、どう過ごしていけばいいのだろう。
私は、なにを試されているのだろうか。
一樹は、私の人生のすべてだったから……。
彼にたくさんの愛の言葉を贈ろう。
生まれてきてくれて、ありがとう。
私と出逢ってくれて、ありがとう。
私に寄り添い続けてくれて、ありがとう。私と結婚してくれて、ありがとう。
私と家族になってくれて、ありがとう。
気づくと、後悔と同じくらいか、もしくはそれ以上に、数えきれないほどのあなたへの「ありがとう」で溢れていた。
けれど……どうして私を置いていくの?
私を一人にしないでという言葉も浮かんでは消える。
死の宣告からお通夜、葬儀、四十九日、そして一周忌。
たくさん、そんな言葉を口にし続けてきた。でもね、最後に行き着いた言葉はやっぱり「ありがとう」だった。
一樹が私の一部であったように、きっと一樹にとっても、私はきっと一樹の一部だったんだよね。
だって、あんなにたくさんの時間を一緒に過ごしてきたんだもん。
必ず、明日は訪れる。
でもその隣に、大切な人がいるとは限らない。
当たり前のようにいつも私の隣には、一樹がいて、笑ったり、泣いたり、怒ったり。
いつも通りに移ろいでゆく季節の中に、一樹はいたけれど、もういない。明日もし、大切な人を失うとしたら、あなたに後悔はないだろうか?
また今度で、また明日でいいやなんて、もったいない時間を過ごしてはいないだろうか?
伝えたい時に伝えてほしい。
愛していると。大好きだと。ありがとうと。
自分自身はもちろん、大切な人にいつ何が起きるのかは分からない。
明日もし、事故に遭うとしたら。車椅子になるとしたら。
寝たきりになるとしたら。植物状態になるとしたら。
目が見えなくなるとしたら。耳が聞こえなくなるとしたら……。
やり残したことや伝えたいことはありませんか。