福祉関係の仕事に就いた妻はその必要性から社会福祉士の資格試験をめざして、通信制の専門学校で猛勉強を始めました。2015年に社会福祉士に合格し、専門学校も無事卒業しました。
その2年後に妻はやっとつかみ取ったやりがいのある仕事から、病気によって退かなければならなくなりました。想像もしていなかったことと思います。
第3章 私が知っている私のこと
妻と出会う前
私は、昭和29年に愛知県愛知郡天白村 (てんぱくむら)で生まれました。天白川に沿って平地が開け、形もまちまちの水田が広がっています。飯田街道(国道153号線)沿いに集落や商店が集まり、人の往来や駆け回る子どもたちの姿が見えます。車もそんなに目立って走っている様子はありません。
ちょっと横道に入ると、牛の糞があちこちに落ちています。当時は田起こしや代掻(しろか)きに牛を使っていました。私もそんな光景を覚えています。
私の実家は、金物屋を営んでいました。
【前回の記事を読む】「後悔はなかった?」「特に何とも」退職後も慕われるほどの先生だ。後悔がないはずがない。もし妻が教職を続けていたら…
次回更新は9月12日(木)、21時の予定です。