また、この場合「利他」は自己犠牲を意味するものではなく、社会貢献しながら自己にも良い影響があるような自己と社会とがウインウイン関係となるような「自利利他」の関係です。

そして、個人主義的な自由主義に基づく西洋的な思考においては、例えば、自己の人間としての権利ないしアイデンティティとして自己を中心とした自己の目的を達成するという自己実現が人生の目的としてしばしば掲げられます。

最も有名なものはマズローの欲求5段階説です。この説では最も基礎的な生理的欲求、次に安全欲求 4とし、最も上のものとして自己実現の欲求が掲げられています。欧米などにおいてはこの考え方が主流の考え方となっています。しかしそこでは同時に自分自身の欲求(needs(ニーズ))をコントロールし、どのように社会へ貢献すべきか(利他5)を明確に掲げていません。


1 「経営理念」とは何のために企業経営を行うのかに関する基本的な理念のことです。

2 人生の目的を持つことは自分の家を建てる場合の家の設計図と同様の意味を持ちます。これが明確化されていれば自分の思い通りの家を建てることができます。このように、目的の達成を目指して努力することは有為(うい)であり、そのようなことをしないものが無為(むい)です。

3 「自己超越」とは自己を超えて自己以外の人やもののために貢献することです。

4 生理的欲求や安全欲求は物理的欲求であり、承認欲求や自己実現欲求は精神的欲求です。

5 利他は東洋的な思考に基づく無欲ないし無我を基礎とする究極の欲求です。

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