第1章 人生の座標軸としての自分軸

1 自分軸の前提

(6)個性

サキ:自分軸で生きるために「個性」はどのように生かしたらよいのでしょうか。私たちの個性はその人が生まれながら持っている(having)性質ないし持ち味です。

コウキ:これは内部環境に当たり、性別、年齢、性格、家族構成、趣味、好み、関心、特技、強み、能力、得意・不得意、経験、思考パターン、マインドセット、感性、魅力などです。

この場合一般に、㋐能力や特技などのように自分の「努力によって変えられる部分」と、㋑年齢などのように一般に「変えられない部分」とがあります。

自分の努力で変えられる能力などについては、それを卓越したレベルまで大いに伸ばすように最大限の努力をすることが大切です。他方、例えば、年齢など変えられない部分については素直にすべてをありのままに受け入れることが大切です。

サキ:なるほど……個性のうち変えられない部分は素直に受け入れ、他方、変えられる部分はそれを卓越したレベルまで伸ばすために最大限努力をするんですね。

コウキ:そのとおりです。そして、必ず誰でも自分だけの個性、価値や才能を持っています。そこでまず自己の個性(長所や短所)をしっかり認識すること(個性の「自己認識」)が大切です。

そして、良いところや悪いところを含めてすべてをありのままに受け入れ(「自己受容」し)、過小評価も過大評価もせずに、すべてありのままでいることの勇気を持ち、自己の存在意義を確認することが大切です。

そして、自分に関する領域(「自分領域」)1)について自分軸に基づき自分らしく悔いのない充実した人生を送るためには、自己が持っている自分らしい強み、魅力や価値である個性に目を向け、

それに自信を持ち、その個性、魅力、優れていることや強みをより強い卓越的なものへと育成(「個性・自分力の育成強化」)し、仕事に没頭し「真に自分のスタイルで創造力の自己表現によって個性を生かし、最大限発揮(「自己発揮」)する」ことが重要です。

サキ:すなわち、個性の認識 → 受容 → 強化 → 個性の自己表現としての創造力の発揮ということですね。