『チーム昭四郎』

おかげさまで二年八か月

平成二十五年二月二十六日、なんだかどこぞのスーパーの記念セールのちらしの表題のようですね。お許しください。 でも、私の今の心境はまさにこの通りです。

ALSの宣告を受けて以来、今までの非日常が日常となり、一日一日命を見つめる思いで過ごして参りました。今までは夫と二人きりの生活でしたが、老々介護はとても無理と言うことで子供たちの応援が得られ、夫は実質的に子供たちの事務所の一室に居候の身となりました。

そして今は、訪問医師、訪問看護師、訪問歯科医師、理学療法士、言語療法士、訪問介護士、ヘルパーのみなさまと、わが家はいちどきに大所帯となりました。これが夫を見守ってくださるみなさんです。

その絆の堅さは、見事です。縦、横の連絡もきちんと取れ、私たち家族からの介護上のお願いは、二、三日のうちに遍く関係者のみなさんに伝わり、実行に移されます。また、夫のまばたき、手足、指一本の動きでも敏感にとらえ、その理由を理解できるまでになっております。

これが、突出した特別のみなさんではなく、みんな一人一人がしっかりと、身体はもとより、夫の心の中まで読み取れるまでに育ってくださっているのです。まるで夫婦の絆並みです。娘はこれを夫の名を冠して『チーム昭四郎』と名付けました。我が家にはまさしく今、夫を中心とした強固な在宅チーム『チーム昭四郎』が形成されております。素晴らしいパワーです。家族にとってこんなに力強いことはありません。

「今まで暗中模索、五里霧中ではありましたが、チームのみなさまのお力によって、おかげさまで無事にここまで参りました。ありがとうございました」と申し上げるこの二年八か月でした。以下少し療養生活の一部をご紹介いたします。

人工呼吸器を装着し、胃瘻を造設し、ベッドからは自力で一歩も踏み出すことの出来ない身体の夫を『チーム昭四郎』のみなさんは、ここまでよく支えてくださいました。

法律改正に伴いヘルパーさんが痰の吸引をする日は、最低九時間の机上講習と、実習は、吸痰行為を完全な形で二回合格する必要があるということになりました。この講習が、土曜、日曜日に行われることになり、岡山県寄りの当福山市から二時間近くもかけて広島市までわが『チーム昭四郎』の面々は出かけてくださいました。