階段を上がって、一階の待合サークルの先に有るフロントへ行き、少し遅かったが何とか部屋が取れ、そのままエレベーターに乗り七階の705号室へ入った。

浩は、部屋へ入ってリュックを置くとやっとホッとして、ベッドに座り込みそのままベッドへ倒れ込んだ。

じっとしていると今迄の出来事が次々と思い浮かび、知らない間に涙が浮かんで目の横を伝って落ちた。

届け物です、と何度も言った男の声が頭に浮かんで響く、一体彼は何者だろう? 

どうして俺は、あんな犯罪を犯してしまったんだろう! 人の物を取るなんて! 

今考えても、自分で自分のしたことが信じられなかった。

暫く横になっていると猛烈に腹が空いていることに気付いた。

起き上がり、電話でルームサービスの状況を聞いて「カレーライスならお持ち出来ます!」という返事を聞き、大盛りにしてもらいオーダーを終えた。

少し落ち着いてゆっくりし、バスルームでお湯の温度を調節しながらお湯を張っている時だった。

急にノックが響き、「お届け物です!」と言う声が聞こえてきた。

浩は直ぐ五反田の自分の部屋をノックした男の声だ!と気付き、びっくりしてどうして此処が?と思うと恐怖が押し寄せ腕がガタガタと震えてきた。

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