藤孝
「ははっ、承知仕まりました」
⇒何、光秀の与力とな……やりにくい、光秀はかつて儂の家来であったのをご存じのはず、信長様直轄ではないのか……。
秀吉
⇒藤孝殿は、かつて光秀の主人筋のはず。上様も酷な仕置きをしなさる……。
光秀
「畏まって候。御両者様にはこの光秀、至らぬ点が多々あると思われますが、何卒お力をお貸し戴きたく、宜しくお願い申し上げまする。なお、上様、京の件早速取り掛かりますが、一応事前に京の民人にはその旨知らせてからに致したく思いますので、お許し戴きたく、お願い申し上げます」
信長
「うむ、許す、しかし急げ!」
光秀
「ははっ、細川殿、荒木殿いざ参らん!」
信長
「朝廷も公方も己のことしか見えてない。勝家! 止むを得ぬ、上京に火を放て! 二条御所の四方に櫓を造り城への往来を遮断しろ。昼夜を問わず鬨(とき)の声を上げ公方を眠らせるな!」
勝家
「ははっ、畏まって候。では、各々方、役割分担を申し上げる。某と丹羽殿及び佐久間殿は二条御所を取り巻き、櫓を建てて攻め入る用意を致す。明智殿・木下殿は上京に火をかけて鬨の声を上げてもらいたい。なお、朝廷のおわす御所の周辺に、火が回らぬよう、厳重に注意されたい」
光秀
「しかと心得申した……!」