他の病院にも行ってみたが、結局、最初に紹介された病院の評判が良く、先進の治療ができると信じ、その病院で治療を続けていくことに決めた。

千恵は毎日のように検査を受け、疲れも重なり悲観的になっていた。いくつもの検査の中で、がんが骨に転移しているか調べる検査があった。

放射性医薬品を注射するのであるが、この注射がとても痛いらしい。痛みには強い千恵が、その検査が終わり、帰宅後、

「今日の注射は、涙が出るくらい痛かった、パパなら、えんえん泣いていたと思うよ」

「毎日毎日、検査検査でくたくただよ」と言った。

私は、黙って聞いていた。千恵は検査のために必死に頑張っていた。私は検査に一緒についていくだけで、何もしてあげられない。気の利いた思いやりのある言葉もかけてあげられない。

大きな病院になればなるほど患者の数が多く、手術を受けるまでに長い時間がかかる。こぢんまりとした病院であれば、もっと早く手術できたかもしれない。

通っていた病院は有名で、検査や手術などいろいろなことに時間がかかった。セカンドオピニオンで行ったクリニックの医師はすぐにでも手術してくれると言っていた。

今通っている病院で治療や手術をすることが本当に正しい選択だったのか少し悩んでいた。私は、担当医師に、