半導体産業のような先端分野では米中で全く異なるサプライチェーンが築かれつつある。供給網の再構築を迫られる中、生産技術をリアルに維持してきた日本の製造業が選ばれる時代が始まった。

その製造業がプロセス変革に挑みDX武装すれば、より強固な国際競争力を持つはずである。前著『製造業のDXを3Dで実現する』は、先端の3D技術をいかに活用してDXを実現するかという視点で書いた。

それ以降、プロセス変革を伴うDXで先を行くユーザーがそれをどう実現してきたのかという視点で、製造業DXに関するブログを書き溜めてきた。本書はそれを大幅に加筆修正したものである。

ものづくりの基幹データである3Dの設計データにものづくり情報を付加し、その価値を高めることで情報流通を加速させる。

瞬時のデータ共有は30年前には不可能であったプロセスの並列化を実現する。そのデータを現場で徹底活用することでさらなる生産性の向上を実現できる。

3Dは実際に体験してみないと分からない。前著で好評であったQRコードを各章に配置し、ビデオや3DモデルをスマホからもWebで参照できるようにした。興味ある方は是非、ご覧いただきたい。

30年ぶりに訪れた製造業のビッグチャンスに、30年前には不可能であったことを可能にするデジタル技術を使って成功をつかむ、そのような製造業の皆さまに本書が少しでも貢献できれば幸いである。