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それにしてもみんな表面的で即物的。やはりこんなものか。お小遣いが欲しいだけのパパ活女子にはお手軽でいいのかもしれないが。

「ハニーパパ」に登録してから最初の二ヶ月で、何となく良さそうな三人の男と会ってみた。

一人は四十八歳の独身で小太り、普通のサラリーマンでデート場所はタバコの煙がもうもうの新宿の居酒屋だ。添加物だらけの安いつまみを食べてビールを飲みながら、自分の話ばかりしている。

ついには例によって仕事と上司の愚痴だ。そんな話を初対面の女性が聞きたがると思っているのだろうか。途中から頭痛がしてきたので帰ると言ったら、じゃあ俺も帰るわ、だって。ロマンチックな会話も雰囲気も、今後の二人の話もまるで無し。

こちらからもお断わりだけれど、それにしても何のために誘ったのだろう。さすがに割り勘とかは言わなかったが。

二人目は同い年の四十四歳、既婚だが子供がおらずダブルインカムなので比較的自由に遊ぶお金を使えるらしい。だが神経質そうでこちらのことを根掘り葉掘り聞いてくる。

「ハーフなの?」

「クォーターというらしいです」

「どことのクォーター?」

「母方の祖母がロシア人なんです」

「いつ頃離婚したの?」

「六年前です」

「どうして離婚したの?」

「性格の不一致です」

「聞いておいた方がいい性癖とかある? 攻めるのが好き? 攻められるのが好き?」

「相手に合わせます」

「希望額は?」

「え?」

「パパ活目的でしょ? ワンナイトどれくらいのサポートが欲しいの?」

「ああ……こんな歳なので贅沢は言わないです」

「一でどう?」

「……考えてみます(一じゃなぁ……)」

三人目は学会とかで東京に出張してきた地方の医師。五十三歳で少し太めのダブルのスーツ姿。新橋駅にほど近いホテルのイタリアンレストランに誘われた。ホテルのレストランと言ってもネットで調べてみるとそこはカジュアルな雰囲気で、仕事の帰りに友達とちょっと寄って憂さ晴らしして帰るような窯焼きピザが売りの場所なので、臆すること無く誘いに乗った。

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