しかし、その機会は意外に早く到来し、4月26日、日曜日の朝刊に掲載された。驚いたことに最初の電話は、午前8時になるかならない頃にかかってきた。

筆者自身は、この日に掲載されたことは知らされておらず、電話の内容にいささか驚くとともに、賛同者がいたことに大いに勇気づけられた。いきなり2名ゲットである。

新聞には、募集時の条件として、

❶協調性があること

❷ペアで参加できること

❸好奇心旺盛であること

の3点だけを特記した。言外にはもう一点「酒が飲めること」も付け加えたかった。そして募集人員は最大7名という点も明記しておいた。マスメディアの影響力の大きさには全く舌を巻く思いだが、この日を境に1週間ほどで、おおむね20名ほどの方々から参加の申し出があった。

実際、このような事態は想定していなかったが、どうせ2年後の決行時点までには幾多の事情で行けなくなる人がそれなりに出る、と安易に値踏みしていた。それでも、この時すでに80歳を超えている人や、健康上の懸念のある方々には、申し訳なくもお断りを申し上げた。

一方、ペアではなく単独参加でもよいかや、酒が飲めないが、という人もおられたことから、これらの方々には大らかな返事をお返しした。

さて、これからの2年間という限られた期間ですべて形を成してゆかなくてはならない。一番重い課題は、仲間意識の醸成である。

大型キャンピングカーといえども、たかだか大型バス程度の有限な空間しかなく、しかもその中で何十日間もの日数を寄り添って生活しなくてはならない。果たしてうまくゆくものか。

集まったメンバーは、似たような年恰好であり、むしろジジババといったほうが相応しい。年齢的には「老成」が期待されるものの、現実にはこれだけの齢を重ねた方々は自分を含めて一般的には頑固で、わがままな自我がむき出しになりそうな厄介な人たちだと想像される。

日数をかけて、融和を図らねばならない。ウーム。

【前回の記事を読む】68歳で現役リタイア。「キャンピングカーでアメリカ大陸縦横終活大冒険行」を企画!

 

【注目記事】あの日深夜に主人の部屋での出来事があってから気持ちが揺らぎ、つい聞き耳を…

【人気記事】ある日突然の呼び出し。一般社員には生涯縁のない本社人事部に足を踏み入れると…