監修者まえがき

セールスイネーブルメントは、日本ではトレーニングやスキルアップの手段としてよく認識されていますが、この本を通じて知識のギャップが少しでも埋まり、セールスイネーブルメントの概念が日本でより広く理解されることを願っています。

それにより、日本の営業生産性が向上し、商談が増え、優れた製品やサービスが市場に広がることで、日本経済に大きな影響を与えることができると思います。多くの方にこの本を読んでいただければ嬉しいです。

営業リーダーに向けた序文  デイヴィッド・ブロック

約1年前、『セールスイネーブルメントのビルディングブロック』という本を書いているのだと話すマイク・カンクルから、営業リーダー向けに序文を書いてほしいと依頼された。

私は深く考えずに承諾した。そして今、メールの受信箱に本の草稿が届き、マイクから約束を果たしてくれと要請を受けている。

正直なところ、比較的ページ数が少ない本でマイクがこれほど多くのトピックをカバーしていることには驚かされた。もし私が同じ内容を紹介しようとしたら、『ブリタニカ百科事典』よりもはるかに分厚い本ができあがるだろう。

とはいえ、読んだ内容を振り返ったところ、単一の読者向けに序文は書けないと気付いた。前線の営業マネージャーは特定の目標や思惑を抱いて本書を読むだろうし、営業を管轄するエグゼクティブ、CRO(最高収益責任者)、営業チームのリーダーは少し異なる観点から読むだろう。

また、営業組織には他にもリーダーが存在する。セールスイネーブルメント組織の指導者などだ(幸いなことに、そちらを対象とした序文を友人のタマラ・シェンクが書いている)。

だから、この序文では2種類の営業リーダーについて触れよう。前線のマネージャーと営業のエグゼクティブだ。