第3章 日々是好日 ~アラ還、感謝の心を忘れずに~
心の目で見る
我が家に4Kのテレビがやってきた。正直言ってそれほど興味はないが、自然のシーンになると「緑色がキレイ」で本物に近いと感じる。
いやいや本物とはその時の温度や匂い、風など五感で感じ取るものがある。
目で見た物は瞬時に情報が伝わるので良いことだが現代ではスピード感を求められることが多くなり、じっくりと見ることが減っている。
若者との「ライン」などのメッセージアプリのやりとりでは個人差もあるが返信が速くて追いつかないどころか、慌てるとへんちくりんな言葉になってしまう。
後になって読み返すと言葉の間違いだけでなく「あれっ」と認識違いに気づくこともある。会って話すことが大切だと思っているので、会えない時にはできるだけ電話で話すようにしている。
ラインやメールでは微妙なニュアンスが伝わらなかったり、感じにくいと思ってしまう。言葉にできない思いや会話の中でも「間」みたいなものが考えている時間として伝わり、その考えている時間をじっと待つことが相手への思いやりとなる。
しかし、表情が見えないやりとりでは自分中心のペースなので返信が来ないと「なんで~?」となる。
顔を見て話す会話は人との関わりの中で大事にしていきたいと思う。
カメラで思うのは、保育園の子どもの行事「運動会」等で目の前の子どもの姿をレンズ越しではなく、眼でよく見てほしいと思う。事前に保護者には当日を迎えるまでの子どもたちの日々の取り組む姿、できなかったことが「できた」瞬間の様子。それを見守る友だちや仲間との一体感などを伝える。
それをクラスのお便りで配布し読んだうえで、当日の頑張りを重ね合わせて見てもらうようにしてきた。それは、周りの保護者にも伝わり、本番の姿を皆が固唾を飲み見守る。
子どもたちの一生懸命な姿に感動と涙が出る。年齢の小さい子の親は自分の子が「あと何年かしたらこうなるのかな」と想像しながら年長クラスを見ていたりもする。昔は拍手もたくさんあった。
【前回の記事を読む】「涙が出るのは趣味だから気にしないで」とさらりと言えて楽になった私