この類いの映画を見るとなると、こんな考えで作られたものばかりを見せられてきた。商売とはいえこんな映像とストーリーを発信し続ける側も、それを無批判に受容する側も、双方とも滑稽と言えば滑稽である。ただ、とうてい娯楽の問題で済まされそうにない根の深い文化の話かもしれない。

太陽系以外の惑星から地球に到達できるのは、ホモサピエンスとは比較にならないほどの総合能力を持つ生き物がいることの証左となるのだが、その理解すらなく、単細胞的に一律に異形の侵略者としてしか想像できないのは哲学の貧困だろうか、あるいは一部の宗派が持つ反科学・反知性の宗教的偏狭のせいだろうか。

米国が裏に持つ一面として、興味・関心は尽きない。

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ダダイズムを経て生まれたシュールレアリスムは、全世界を席捲し芸術のあらゆる分野を巻き込む、未だかってないスケールの芸術思潮であった。世界中の極めてハイレベルな知的不良分子まで巻き込む、正に文化のビッグバンであったのである。

私たちの身の周りにある、等身大の表現を目指す音楽・詩歌・絵画・写真等とは、明らかに間口も奥行きも異なるムーブメントであり、それ故に、類を見ないまでに深く人々を魅惑したのである。

このシュール菌に罹患した者は未だに多くいる、新たに感染する者もいる。