とある雪原の森林
とある渓谷
拘束魔法。
あらゆる魔法を極めているユウだが、その中でも、拘束魔法は別格の威力を誇る。
ユウが動きを封じて、そのあいだにシンが標的を仕留める。
大型の魔物を相手にした時の、2人の常套手段だった。
ドゴォッ
大蛇の巨体が貫かれ、その大きなお腹からは、大量の鮮血が溢れ出る。
『真上からの直殴り。』
疾風迅雷の勢いを纏い、胴体目掛けて振り下ろされた拳は、単純な攻撃であるのにもかかわらず、シンが行うと絶大な一撃となった。
白大蛇戦後(休憩中)
「美味い。」
「でしょ?」
「この味、店に出せるんじゃないか?」
「う〜〜〜ん、それは遠慮しておくよ。」
魔物の討伐が一段落ついた後、2人は昼食をとっていた。
ユウの作ってきたお弁当の中には、シンの好物がふんだんに使われており、彼の食欲を駆り立てるのにさほど時間はかからなかった。
「そうか・・・・もったいないな。」
「え?」
「こんなにいいものが、他に知れ渡らないのは残念だ。」
シンがそう言うと・・・・・・・。
「僕はシンだけに食べてもらえれば十分かな。」
ユウはそれに言葉を返した・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・」
「好きなんだよね・・・君と過ごすこういう時間・・・。」
「・・・・・・・・・・・・」
「シンも好き?」
「嫌いじゃない。」
「もぉ、またそうやってはぐらかす。」
「・・・・・・・・・・・・」
「照れ屋さんにもほどがあるよ。」
「・・・・・・・・・・・・」
「子供の頃は、今よりも素直で元気だったのに・・・・。」
「お前は、今よりも大人しかったよな。」