今回のツアーではF空港から最終目的地、帰りのM空港までほとんど全てバスでの移動だったが、その間ずっとバスを走らせてくれる現地のドライバー・Aさんの腕がすこぶる良かったのだ。

実は私は車移動が大の苦手で、イタリア人運転手は運転が総じて荒っぽいと事前に聞いていたのでこの点を最も恐れていた。だが幸運なことに、その不安はすぐに消し去られた。

F空港からホテルまでは約三十分の距離だったが、この人の運転なら大丈夫だと確信が持てた。実際、私は車酔いでダウンすることもなく、その後の観光も楽しめた方だと思った(時々慣れない環境でのストレスから体調を崩すことはあったが)。

成田からローマまで移動に次ぐ移動で、疲れた身体をホテルでゆっくり休める…ということはこの日に限ってはなかった。翌日は、ツアーの中で最も大変なスケジュールが待ち構えていたのだから。

三 波乱のカプリ島・ナポリ、初体験のローマ

ローマに到着して十時間もしないうちに、二日目がやって来た。この日は、ローマではなくナポリ近辺で丸一日を過ごすことになっていたのだ。朝六時前にはホテルの玄関前に集合させられただろうか。時差ボケも治っておらず、睡眠時間も私にとっては極限まで削られている状況だった。

バスの中で食事しながら眠ろうとも思ったものの、まだイタリアに着いたという実感はない。前日の到着時は既に真っ暗で、街灯が日本よりずっと少ないこともありローマの街並みも何一つ見えていなかった。

最初イタリアに来た実感を持つならここからしかない。私はバスの車中からイタリアの街並みを少しでも楽しもうと心に決めた。

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※本記事は、刊行の書籍『中学最後の決断』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。