第2章 家族 ~私を支えてくれた人たち~
生きもの係
カブトムシの幼虫、アゲハの幼虫、モルモット、カメ、カタツムリ、カマキリ、トンボの幼虫、クワガタムシ、ザリガニ、インコ等々。どんな生きものも子どもと世話をし、幼児クラスになると順番に当番さんが世話をする。
毎朝、容器を洗ったり、調理さんに野菜の切れ端の餌をもらう。カメに関しては散歩先でミミズを拾ってきたこともあった。卵を産んだので子どもたちと飼育の方法を調べた。
町の水族館に問い合わせると保育園まで来て指導をしてくれることもあった。生きものの一つ一つに教えがある。
生きものは好きな子もいれば苦手な子も多い。カメのタライ洗いではカメを取り出さないと何もできない。毎日やることで子どもたちが慣れてくるがカメも必死だ。慣れない手つきで扱うと暴れるので時に落とすこともある。
子どもには「みんなが持ち上げて落とすことは、人にしたら2階から落ちるのと同じで、カメさんの骨が折れちゃう。しゃがんで持って落とさないようにしてね」と話した。しかし、毎年1回くらいは落とされていたかな。そんな時には「カメさん、ごめんね」と声をかけていた。
寒い秋にはエサを全く食べなくなり動かなくなる。冬眠に入る時期なのでバケツに砂や枯葉を入れる。「春までおやすみ~」と子どもたちとふたをする、春の目覚めには年度が変わり新しい年長さんがカメを目覚めさせることから始める。
また慣れない子どもたちに扱われるのでカメさんにしたらたまらないことだろう。しかし、子どもたちにとっては大事な経験である。
庭に出てくるアリもしかりだ。子どもが捕まえるようになったので、アリの飼育ケースに入れ観察をしたが、アリの巣作りがこれまた面白い。
ダンゴ虫は脱皮をする。手の平で丸まったものが開く瞬間は子どもの目が釘づけになる。捕まえる時の手の力加減が分からないのでつぶしてしまうこともある。その失敗があってつぶさないで持てるようになる。
中には丸まらないダンゴ虫を両手でつまみ開いたり閉じたりさせる1、2歳児がいる。「そんなことしたら死んじゃうよ」と声をかける。